ご挨拶

 IR(Institutional Research)は米国の高等教育機関で1960年代に誕生したといわれています。一般に、「機関の計画立案、政策形成、意思決定を支援する情報を提供する目的で、高等教育機関の内で行われる調査研究」とされ、教育・研究・経営など様々な分野でIR活動が行われています。日本では近年、文部科学省や大学認証評価機関から求められている内部質保証の取り組みや、医学教育分野別認証評価における評価項目の一つである「教育プログラム評価(入学時から卒後まで学生と卒業生の業績を分析・評価すること)」への対応など、教育に関するIRの必要性が指摘されるようになりました。さらに、中央教育審議会大学分科会によって、大学がその教育目的を達成するために行う管理運営のあり方を示した教学マネジメント指針がまとめられ、教学マネジメントを支える基盤として教学IR体制の確立が謳われています。
 このような状況の中で、東京医科大学では教育に関するIR活動を行う教育IRセンターが2015年4月に設立されました。教育IRセンターでは、三つのポリシーに基づく学修成果・教育成果を様々な評価指標をもとに把握・検証するため、教学に関わる各種データの収集・分析やアンケート調査を実施しています。東京医科大学医学部医学科・看護学科の教育改善を支援するためさまざまな情報提供を進めて参りますので、皆様のご支援ご協力をお願い致します。

センター長 増渕 伸一